奨学金は過払い金返還請求できないのはなぜ?

奨学金に対して過払い金返還請求を出すことができない理由は金利にあります。
そもそも過払い金返還請求とは貸金業法が改正されたことによってグレーゾーン金利が撤廃され、過去に遡ってグレーゾーン金利に基づいて支払い過ぎた利息を返還してもらうための手続きのことです。
重要なポイントは「支払い過ぎた利息」の部分です。
これは金利が本来あるべき設定よりも高い状態でなくては当然発生するものではないのですが、一般的に日本学生支援機構が運営している奨学金の金利はかなり安いものに設定されています。
貸与利率はその時々の経済状況などで変わるとはいえ、そこで請求される利率はおおよそ1%前後かそれ以下となっています。
グレーゾーン金利とされるのは融資額に応じて15~20%以上、29.2%未満の範囲内とされていますから、奨学金ではそもそも払い過ぎた利息が存在せず過払い金返還請求はできないわけです。
従って奨学金の返済が非常に苦しく生活が継続できない場合には過払い金返還請求以外の方法で対処するほかありません。
具体的には返済を一定期間待ってもらう猶予制度を利用するか、デメリットは大きいものの自己破産や個人再生といった方法で対処することが基本となるでしょう。
ただ猶予制度は問題ないものの自己破産・個人再生をすると保証人に対してかなりの額の請求が行きますから、この点だけは事前にしっかりと理解したうえでどう対処するか考えるようにしてください。